2006年4月24日

●ゆとりの法則 トム・デマルコ(著)

ゆとりの法則 - 誰も書かなかったプロジェクト管理の誤解
ゆとりの法則 - 誰も書かなかったプロジェクト管理の誤解

 ピープルウエアで有名なトム デマルコによる著書。ソフトウェア開発やプロジェクト管理に関わる方は良くご存知かもしれません。

 先日の土井さんのクリエイティブ講座でも一言だけ話題に出たこの本ですが、妙にピピッっと来て購入しました。

 効率化という命題の元で逆に生産性を悪くし、スピードの変化に対応できない現場を良く表しています。忙しく働いている時間が少ない秘書をパートに切り替えたり、秘書の仕事を増やしたりすることは結局敏速に対応できなくなります。そして「一日の中からあらゆるゆとりを排除し、労働者を効率よく使うと、対応の速さを犠牲にすることになり、組織の動きが鈍くなる」 とはまさにそのとおりです。

 切符やホテルの手配、旅費精算、会議室の予約や名刺の発注(やデザインまで)も社員が自分でWebで処理できる会社もありますが、(どこだ?(笑)) このようになんでもITを導入すれば良いと思っている発想では、逆に生産性を悪くすることに気が付かなければならないと思っています。

 また、ロスについてもこのように述べられています。「経験から言って、知識労働者が時間によって複数の仕事を切り替えることによるロスは、15%を下る事は無い

 これもまさにそのとおりで、私の場合のロスは30~50%になるかもしれません。私はどうしても集中したい時には、外の喫茶店や、レンタルスペースなどへ逃げる事もあります。自分は、複数のことを同時に処理できないんだと、半ばあきらめていたのですが、そんなに特殊な事では無いのかもと感じました。(他人よりマルチタスクが苦手なのは間違いないですが)

 そして組織によくありがちなプレッシャーについても、「プレッシャーによって完成までの時間を短縮できる可能性はかなり限られており、せいぜい10~15%である。また、過剰にプレッシャーをかければ、すぐにパフォーマンスは悪化しはじめる」とし、ついには転職先を探し始めるようになると。

 メンバーにプレッシャーを掛ける事によって「やれるだけやった」と言い訳にする管理者もいますが、少しは工夫が欲しいものです。先日ご紹介した、目標を突破する 実践プロジェクトマネジメントは、メンバーにやる気とゆとりを持たせるための知恵が詰まっています。

 この本は、プロジェクト管理に関わる人に向けて書いていますが、1人でも十分応用可能だと思いますよ。

 

 

目次(追記へ続きます)

第Ⅰ部 ゆとり
          
第1章 斧を持った男
自信喪失の危機/「立て直し」をはかった代償/それがどうした

第2章 忙しさの意味
忙しい労働者/複数の人間が一緒に働くには

第3章 人材は代替可能か
最も手っとり早い方法/マトリックス経営/仕事の切り替えにともなうロス/チームへの影響/仕事の切り替えにともなうロスの数量化/ロスが意味するもの

第4章 「急げ」と言うと遅くなる
「急げ、急げ」/複数の人間が一緒に働くには

第5章 イブを管理する方法
イブを部下にもつ/NPO(非営利組織)の場合/情報の管理/管理と個人の成長/違った意味の「ゆとり」

第6章 忙しさよりビジネスを
新しい世界/流れのなかの組織/人的資本/人的資本の価値はいくらか/人的資本と資本の損失/流れをつかめ/組織の自己投資能力/1円節約すれば‥‥


第Ⅱ部 本当に速く仕事をするには

第7章 プレッシャーの代償
プレッシャーとその影響のモデル/リスターの法則/適切なモデル/どういう意味があるのか

第8章 強気なスケジュール
できない約束の倫理感/信条/責任の所在

第9章 時間外労働
スプリント/だらだらとした時間外労働/生産性を低下させる方法/品質への影響/ゾンビ/人材の移動/時間の浪費/管理者の時間外労働

第10章 生産性計算のからくり
生産性と見かけ上の生産性/異常な進化形/しかし実際の世界では‥‥

第11章 掃除機の意義
労力を節約するか、体面を保つか/雑用係の問題点/トップの生活

第12章 間違った管理の第二法則
だれもが犯す愚行/管理者についてのジョーク/挑戦からの逃避/管理がむずかしい理由

第13章 恐怖の文化
神の賜物/怒っている管理者/人員過剰のパラドックス

第14章 訴訟
訴訟ゲーム/責任転嫁の手段としての訴訟/責任について/契約書の欠陥/けんか両成敗/訴訟とゆとり

第15章 プロセスへの執着
ハウツーの規格/テーラーリズムを超えて/スター社員/自動化の導入/所有意識と権限委譲

第16章 品質管理
過去最高のソフトウエア製品は‥‥/企業の品質向上プログラム/品質とスケジュール/品質と数量/品質低下プログラム

第17章 効率と効果
両方を手に入れるのがむずかしい理由/リスクによってさらに複雑に

第18章 目標管理
目標管理入門/停滞状態/ディスファンクション/追伸


第Ⅲ部 変化と成長

第19章 ビジョン
ビジョンと変化/ビジョン宣言

第20章 リーダーシップの「リーダーシップ」
リーダーシップとはなにか/力の問題/階層の経路とリーダーシップの経路

第21章 ディルバート再考
アメリカのヒーローへの攻撃/だれがリーダーシップをとるべきか/フォロワーシップ

第22章 恐怖と安全
変化に必要なもの/ふたたび恐怖について/棒と石と言葉と

第23章 信頼関係を築くには
信頼を得る方法――通常のモデル/新しいリーダーが信頼を得る方法――現実的なモデル/リーダーシップと相手への信頼

第24章 変化のタイミング
変化に立ち向かう/上げ潮に乗る

第25章 中間管理職の存在意義
中間管理職の重要な役割/ゆとりを取り戻そう/孤立/ふたたび安全について/まとめ:再生の必須条件

第26章 学習はどこで起きるか
人間は学習する機械である/学習プロセスの典型的なモデル/青ざめる学習/チームが重要なわけ/管理の方法を学習する/管理チーム/空白地帯に目を向けろ

第27章 空白地帯の危険
「多少の健全な競争は害にならないだろう」/内部の競争にはコストがともなう/防御行動/見えてくるパターン/訓練/学習しない組織のための処方箋

第28章 変化の管理
ルールの違い/ゲームは始まる前に終わっている/工場と家庭のモデル


第Ⅳ部 リスクとリスク管理

第29章 常識の誤り
リスク管理の問題点/それでもリスク管理が必要な理由/不確定性と向き合う/「できる」型の管理

第30章 リスク管理の基本
全体リスクと部分リスク/リスク管理とはなにか/リスクの抑制/リスクの軽減

第31章 危険速度
恥ずべき事実/安全速度

第32章 リスクとつきあう法
リスク回避/そもそもリスク管理などしていないのでは/リスク管理のチェックリスト

あとがき

第33章 干草の山から針を探す

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2006年4月20日

●意思決定12の心得 田坂広志(著)

意思決定12の心得―仕事を成長の糧とするために
意思決定12の心得―仕事を成長の糧とするために

 ついにsmoothさんも読んだ、田坂広志さんの本。講演会も本に増してお勧めなので、是非アンテナ張っておいてください。

 これで、田坂広志さんの本は6冊目。私にとって、田坂さんの本は疲れたときの一服の清涼剤になりつつあります。

 では、本のご紹介です。今回は「意思決定」に関わる心得についてです。

 意思決定には3つの能力が必要であると田坂さんは言います。著書をそのまま引用します。

 第一は、理屈だけでは答えの出ない問題に、正しい答えを見出すための「直観力」です。言い換えれば、「勘が鋭い」ということです。

 第二は、組織内での合意を得て、組織を動かしていくための「説得力」です。言わば、「言葉に力がある」ということです。

 第3は、意思決定に伴うリスクを取り、その結果に責任を取る「責任力」です。すなわち、「腹が据わっている」ということです。

 
 この本では、どうすればこの3つの能力を身につけることが出来るのか、田坂さん独特の読みやすい文面で書かれています。

 私が理解したままの言葉で以下にまとめてみます。

 直観力を養うのには経験ではなく、十分な体験が必要だということです。体験とは、反省をすること。経験を深く反省することで体験として身につくと言います。そして、その体験を通じて自ら意思決定を行うことです。

 次に説得力。論理的である事は「説得力がある」こととは違います。「相手が何を聞きたいか」を感じ、相手を操ろうというエゴを捨て、相手を一人の人間として大切にする姿勢を持つことの重要性を理解しなければなりません。

 そして、責任力。それは、決意の固さと強い意志です。責任を取るという事は、問題が生じたときに謝ったり、辞めることではありません。本当に責任を取るという事は、その失敗した原因を追究し、組織のメンバーと学ぶことなのです。

 私の稚拙なまとめでは、この本の素晴らしさは1%も伝えることが出来ません。単なるハウツーではなく、これからどう成長していくかの心構えを知りたい方にとって、是非読んでいただきたいです。

 

■他にも読んだ田坂氏の本の感想
使える 弁証法
知的プロフェッショナルへの戦略―知識社会で成功するビジネスマン11の心得
なぜマネジメントが壁に突き当たるのか―成長するマネジャー12の心得
仕事の思想―なぜ我々は働くのか
なぜ、時間を生かせないのか―かけがえのない「人生の時間」に処する十の心得

■田坂氏の講演会の感想
大挑戦者祭 2006 田坂広志さんのスペシャル公演

目次
意思決定に必要な三つの力を身につける
衆知を集めて、独りで決める
感覚を磨くのではなく、論理を究める
経験を積むのではなく、体験に徹する
ただ進むのではなく、退路を断つ
論理を語るのではなく、心理に語りかける
説得するのではなく、納得をしてもらう
計画への信頼ではなく、人間への信頼を得る
リスクを避けるのではなく、リスク体質を改める
リスク分散だけではなく、リスク最小化の手を打つ
失敗を恥じるのではなく、失敗を率直に語る
意思決定を精神の成長の機会とする

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2006年4月19日

●33歳で資産3億円をつくった私の方法 午堂登紀雄(著)

33歳で資産3億円をつくった私の方法
33歳で資産3億円をつくった私の方法

 この本の著者である午堂 登紀雄さんは、1994年末まで戦略系コンサルタント会社で働いていました。その会社は20代でも年収1千万円以上は当たり前ですが、毎日朝から深夜まで土日も無く、働き尽くめだったといいます。そんな著者が決断を下したのが2003年8月のこと、預金70万円から1年で資産3億にした方法をまとめたのがこの本です。

 現在では、不労所得が月に100万、年間にして1200万円の収入を得ています。

 基本は、株、投信、為替、そして不動産への投資ですが、その成功法則のほとんどは今まで私が読んだ本にも書かれていることで、目新しいことは余りありません。不動産投資は、金森さんの著書で述べられているような法則そのままです。

 この本の特徴は、その目線の低さです。元庶民であった著者の視点で書かれています。(今は庶民ではないでしょうが)

 例えば、節約術にしても、車を手放したり、年会費無料のクレジットカードに切り替えたり、飲み代はフリーペーパーのクーポン券で割引、そして金券ショップも利用します。そんな元サラリーマンが資産を持つようになってから得た気づきは「お金持ちのところにはおいしい情報が、一般の人にはカスのような情報しか行かない」ということなのです。

 サラリーマンでいながら、投資で年収と同じレベルの不労所得を得ようと考えている人の背中を押してくれる本です。


目次

1章 サラリーマンの僕が「金持ちになる!」と決意した日
2章 これが金持ちの「常識」だ!
3章 “節約・節税・レバレッジ”こそ、金持ちへの近道
4章 不動産投資でアーリーリタイアも夢ではない!
5章 株、投信、為替…この「儲けの絶対法則」に学べ
6章 サラリーマンが“ローリスク&ローコスト”で起業する賢い方法


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2006年4月16日

●先週購入した本

 先週、amazon, 書店で購入した本です。

 これでamazonは1万円を超えました。次は奥さんに頼んでます。 家族カードなので、私もちです。。。

 先週はちょっと本の分野が偏ってます。(いつもとちょっと違います)


成功の教科書 熱血!原田塾のすべて
成功の教科書 熱血!原田塾のすべて

近所の書店で平積みだったこの本。どのように目標を立てて、どうこなしていくかが分かり易く書かれています。


携帯サイトで給料の3倍稼ぐ方法
携帯サイトで給料の3倍稼ぐ方法

携帯サイトは全く見ないのですが、今の現状を知るために。


自分らしく稼ぐ。
自分らしく稼ぐ。

「自分らしく」とはどういうことかを知るために。


人生カンタンリセット!夢をかなえる「そうじ力」
人生カンタンリセット!夢をかなえる「そうじ力」

そうじをすればリセットできるのかな?と思って。


となりの億万長者―成功を生む7つの法則
となりの億万長者―成功を生む7つの法則

安かったので、初めてマーケットプレイスで購入。個人的には新品の方がモチベーションが上がるなと感じましたね。



未読本はますます溜まって行きます。と言いながら、また5冊注文してしまいました。 

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2006年4月10日

●第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい M・グラッドウェル (著)

第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい
第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい

 一度、英語版を読もうとして挫折したこの本、再度邦訳でチャレンジです。(チャレンジって程でもないですが(笑)

 この本では、私自身、今まで読んだいくつかの本が頭に浮かんできました。

 まず、15分の話し合う夫婦の会話ビデオで、今後の2人の結婚が続くのか、離婚するのかを当てる話です。心理学研究所のゴットマン博士は1分間の夫婦の会話を見ただけで95%の確率で、その夫婦の15年後を予想できると言います。ただ、ゴットマンは独自の理論でいくつかの夫婦のサインから、その未来を予測します。逆に夫婦の2人のやり取り自身が直感で判断する動作そのものではないかと考えさせられます。そのゴットマンが書いた本が愛する二人別れる二人―結婚生活を成功させる七つの原則ですが、夫婦でこの本を読むにはかなり気恥ずかしい内容で(淫らな内容ではないです)、夫婦を見つめなおすには最高の本ではないかと。

 次は、プロのテニス選手を指導する話。こんなくだりがあります。「一流選手に聞いてみても、自分のプレイについて常によく分かっていて、正確に説明できる選手は一人もいなかった。聞くたびに答えが違ったり、無意味なことを答えするんだ
これは、言葉で説明するには限界があり、それでも答えを説明しなければならないときには、もっともらしい答えで取り繕ってしまう事を意味しています。これについては、「無意識から生まれた思考について説明を求めたときは、答えが返ってきても慎重に解釈する必要がある」と述べています。

 これもまさに、田坂広志さんの言われる暗黙知であり、言葉で説明するよりも経験で感じるしかないと言う話(参考:なぜマネジメントが壁に突き当たるのか―成長するマネジャー12の心得 田坂 広志 (著))や、思考と行動における言語 S.I.ハヤカワ (著)で言われている言葉で伝えることの難しさ、曖昧さをに通じます。

 そして、アメリカのCEOはほぼ全員背が高かったという話。CEOの平均は182センチで、アメリカ人の平均は175センチだから、平均より7センチ高いとのこと。この件については、別の本でも同じような話がありました。同じ身長の男性に、政治家、社長、教授などの異なる肩書きをつけ、その人の身長が何センチに見えるかアンケートをとったところ、位が高いと思われている人ほど高く見えるのだと。背が高い人は実質何10万ドルも得をすることになるとは、うらやましい話です。

 そのほかにも、人は見た目で判断する事例や、瞬時の判断力をつけるには、頭で理論的に解釈しているのでは間に合わず、トレーニングが必要である話など、フンフンと気づかされる話が満載です。

ちなみに、「第1感」って絶妙な命名ですね。あわよくば「第一感」とした方が検索エンジンに易しいかも。




目次
第1章 「輪切り」の力―ちょっと情報で本質をつかむ
第2章 無意識の扉の奥―理由はわからない、でも「感じる」
第3章 見た目の罠―第一印象は経験と環境から生まれる
第4章 瞬時の判断力―論理的思考が洞察力を損なう
第5章 プロの勘と大衆の反応―無意識の選択は説明できない
第6章 心を読む力―無意識を訓練する
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2006年4月 6日

●超カンタン!時間管理術読みました

 一昨日お知らせした「超カンタン!時間管理術」、本日無事書店で購入しました。

 今まで買ったムック本って、それこそ30分から1時間で簡単に読めるものが多く、本書も表紙には 1時間で分かる と書いてあります。確かに1時間で文字は読めるでしょうが、1時間で物にしたかというと?(ハテナ)というのが正直なところ。

 では、なぜそんなに時間がかかったのか?

 それは、時間管理はあまりにも身近なテーマであり、文章を読むたびに納得し、自分の行動を思い出して反省し、その改善策を本の教えとともに自分に適用すればどうなるだろうか考える時間が必要だからです。そういう意味では、本書はアルアル感が非常に高く、かなりのノウハウが詰まっています。また、今までの本とは違った視点で書かれている事もサラッと読み流せない理由のひとつです。

 本書にも書いてありますが、いきなり全てを適用しようとするよりも、ひとつずつステップを踏みながら実践していくのがよいのではと思います。

毎日タスクを処理していくだけの仕事は楽しくないなぁ

とか

目標を立てろと言われても、その目標シートはただのシオリになってるなぁ」(私のフランクリンプランナーがそうでした)

とか

1週間の流れを見ながら仕事したいなぁ

と思っている方にはお勧めです!

Posted by ten at 23:59 | Comments [6] | Trackbacks [0] このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーをはてなブックマークに追加
2006年4月 5日

●アイデア・ブック スウェーデン式 フレドリック・ヘレーン (著)

アイデア・ブック スウェーデン式
アイデア・ブック スウェーデン式

 この本は、元々神田昌典さんの英語教材でのインタビューゲストだった著者に興味を持って購入しました。

 CDインタビューでは、こんな逸話が話されています。

  • このアイデア・ブックを日本で売るために、まずスウェーデンで1人の日本人に翻訳してもらい、それを1000部印刷したあとに来日し、出版社へ持ち込んだ
  • 車を運転中、ちょうど隣に止まった車が欲しくなり、販売店に行く事を考えるより先に直接その車の持ち主に「いくらなら売ってくれるか?」と聞いたところ、ちょうど売るタイミングを探していたところで、安価に購入できた
  • 冬の季節はずれの時期に、島を売りたがっていた人から30%の値段で購入した。(夏であれば300%の値段はしただろうとの事)

 そんな、 普通の人であれば考え付かないようなことを平気でやってみるのも、ノーと言われても、笑われてもめげない著者のポジティブさなのでしょう。

 この、アイデア・ブックはまるで絵本のような装丁で、30ものアイデアのヒントが書かれています。

ひとつだけピックアップすると

囚人用ベビーフード
別の方向から考えてみる

 アメリカのフロリダ州。とある街の警察署長には、毎年春になると決まってあることに悩まされてきました。春休みを楽しむ学生の一部が羽目をはずしすぎるのです。酒をしこたま飲み、煙草を吸い、思いつく限りの馬鹿をしでかします。

 署長と部下たちはこの時期、泥酔した学生や酒の勢いで問題を起こした学生の取り締まりに追われ、大忙しでした若者たちを留置場に放り込んでも、問題は一向に減りません。それどころか、留置場で夜を明かすのは「クール」で「マッチョ」であり、あとで仲間に自慢できることだったのです。

 警察は、罰則を厳しくすることにしました。拘留を二晩に延ばしたり、食事をパンと水だけにしたり、パンを取り上げたりもしました。それでも事態は変わりません。

 そのとき、罰則を厳しくしたところで無駄だと署長は気づきました。アメリカでは、どちらかと言うと、「うまくいかなけりゃ、もっと強く頭を壁にぶつけろ」式に物事を考えるのが一般的です。禁固刑1000年が、あたかも500年より犯罪抑制効果があるかのように存在します。しかしこの署長は、典型的な考え方にはまりませんでした。

 学生たちを一人前の大人として扱うのではなく、小さな子供として扱い始めたのです。学生たちを一晩だけ留置し、食事にはベビーフードを与えました。留置場から出てきても、もう何の自慢にもなりません。ベビーフードを食べさせられたと仲間も知っているのですから。留置場に入っても、もはや「クール」でも「マッチョ」でもないのです。

ちょっと、長く引用しすぎました。。。。

 この本はページ数も少ないですし、すぐに読めるのですが、読むたびに別の新しいアイデアがわいてきます。ちょっとしたスキマ時間のアイデア出しにお勧めです。

 ちなみに、著者のサイトにもうひとつのアイデアブックが販売されています。300ページのうち、30ページ分がPDFで読めるのですが、こちらも面白いです。サイトはこちらですIDEABOOK



目次

針を探す
はてなタクシー
世界初の創造性テスト
メタファーで表現する
エジソンのアイデア・ノルマ
組み合わせ妙
いつものやり方
アイデアは潰されやすい
満腹病
メキシコ・オリンピック〔ほか〕
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2006年4月 4日

●超カンタン!時間管理術 水口和彦(著)

超カンタン!時間管理術―1時間でわかる図解
超カンタン!時間管理術―1時間でわかる図解

 私のブログ友達(ご本人了承済み(笑))の水口さんによる初の著書のご紹介です。

 水口さんは、ブログをはじめられてからまだ10ヶ月、そのブログをきっかけに出版社からお声がかかり、本の出版、そして手帳まで販売される予定だとか。勤めていた会社も退職され、これからは多方面でのご活躍が期待されています。

水口さんのブログはこちらです。 時間管理術研究所 ― 仕事と生き方、幸せの研究所 ―

 およそ半年前、私のつたないブログにコメントをいただき、その後東京での起業セミナーでもご一緒させていただきました。そのときに分かったことですが、その数ヶ月前の5月に行われた神田昌典さんと、主藤孝司さんの1泊のセミナーにも同じく参加されていたことが分かりビックリ! それでも、普通の人(ではなかったのかも知れませんが(汗))が、波に乗って行かれる姿を見るのは嬉しいものです。

 実は、最近書店へ寄る機会もなく(土日はずっと寝てましたし(笑))残念ながら本はまだ購入出来ていないのですが、明日は時間を取って書店へ行きます!(だめならamazon)

 ブログをご覧頂くとわかりますが、記事も分かりやすく、理解を深めるには的確なたとえ、そして時間管理や手帳術に関する本は、ほとんど読まれたとおっしゃる水口さんの著書には期待してます。

また、購入したらご報告いたします。

 あと、東京池袋での出版記念トークショーも開催予定です。これは私も伺う予定です(明日電話しないと)

開催日時:4月21日(金) 19:00から20:30終了予定
開催場所:リブロ東池袋店内 カフェリブロ
参加費:2,000円(ワンドリンク付き)
定員:50名
お申込み:リブロ東池袋店まで、お電話ください 03-5954-7730

 参考ブログ:超カンタン!時間管理術 秀和システム刊 水口和彦さんトークショウのご案内(by inaba)

Posted by ten at 23:59 | Comments [5] | Trackbacks [0] このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーをはてなブックマークに追加