2005年12月13日

●人生は数式で考えるとうまくいく 大村あつし(著)

人生は数式で考えるとうまくいく
人生は数式で考えるとうまくいく

 著者の大村あつし氏は累計100万部を超える IT専門書、特にExcelによるプログラミング(VBAといいます)に関する優れた本を多く出している方です。

 題名には、「人生は数式で考えるとうまくいく」とありますが、人生について理論的に解説した本ではありません。数式も思ったほど出てきません。ITライターとして実績がある以外は大成功を収めた方という感じもしませんし、本当に普通の人が、周りの方の意見を聞きながら過ごして来た人生そのもの、等身大の自分を書いているに過ぎないように見えます。(あとがきでも書いてらっしゃいますが、実際に本を読んでも普通の人のように感じるのです)

 しかしながら、amazon のレビューが 38もあり(今日現在)、かなり売れているのは、その等身大の内容が共感を呼ぶのでしょう。私たちの友人の中にいてもおかしくないように見える(もちろん、一番の有名人でしょうが)著者が、私たちの身の回りに起こりそうな出来事に対してどう対処してきたかが書かれています。

 とても身近な先輩から、アドバイスを受けているような、そんな癒しも与えてくれる本です。

(2005/12/8 読了)


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2005年12月12日

●使える 弁証法 田坂広志(著)

使える 弁証法
使える 弁証法

 弁証法って何?と言う方は多いと思います。私はこの本を読むまでは一度も聞いた事はありませんでした。本を読んだ後でも、「ヘーゲルの弁証法って何?」と聞かれて正確には答えられないです。それでも、本書では著者である田坂広志氏の解説として現代の事例が多量に紹介され、非常に分かりやすく書かれています。

  田坂広志氏は、「未来を予見するとき、特別な調査や分析は行っていません」それでも、未来が見えるのはこの弁証法を使っているからだと言います。

 弁証法において最も役に立つ法則は、「物事は、螺旋的に発展する」ということです。「世の中の全ての物事の進歩や発展は、右肩上がりに一直線に進歩・発展していくのではない。あたかも螺旋階段を上るようにして進歩・発展していく」のです。

 螺旋階段を上るとは、横から見ると上に上がっているが、上から見ると、ぐるりと回って元の場所に戻ってくるように見える。「すなわち、「進歩・発展」と、「復活・復古」が、同時に起こる。」ことを意味します。

 本書では、この法則について、電子メール、ナレッジ・コミュニティ、コンビニエンスストア、オンライン・トレーディングなどを例に詳しい説明がなされています。

 他にも弁証法の4つの法則の使い方について事例を交えながら、非常に納得のいく説明がされています。

 200ページ弱で、しかも、びっちり書かれていないので1時間半もあれば読める本ではあります。しかしながら、どこも冗長な記述はなく、何度も読んで方法を会得したいと思わせる非常に価値のある本です。

 (2005/12/11 読了)

 ■他にも読んだ田坂氏の本の感想

知的プロフェッショナルへの戦略―知識社会で成功するビジネスマン11の心得

なぜマネジメントが壁に突き当たるのか―成長するマネジャー12の心得

仕事の思想―なぜ我々は働くのか

 

P.S.  1週間以上ぶりの更新となりました。ちょっと仕事がバタバタしています。

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2005年11月22日

●すごい!自己啓発---「夢」をバージョンアップしろ! 岡崎太郎(著)

すごい!自己啓発---「夢」をバージョンアップしろ!
すごい!自己啓発---「夢」をバージョンアップしろ!

 amazon でも賛否両論のこの本。どちらの評価もうなづける内容です。

 自分の殻を破るためにはどうすればよいか。例えば、「最悪の想定を行い、その最悪に対処する方法を考える。」その最悪を分解し、その1つひとつをひっくり返していく事で「なぁーんだ、大したことはない」と思う。

 また、グレートクエスチョンの例として

・あなたは資産が10億あっても、今の仕事を続けますか?
・5年後あなたは、やりたい仕事が出来ているでしょうか?
・あなたが死んだら、どんな人だったと思われたいですか?
・もし余命が1年と宣告されたら、あなたは今の仕事を続けますか?

などがあり、自分を見つめる良いきっかけにはなります。

 今を悩んでいる人(私だ(笑))の背中を押してくれる本です。でも、ポジティブになるだけでは成功しないのも事実でしょう。

(2005/11/19 読了)


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2005年11月21日

●成功への「心の扉」 渡辺邦昭(著)

成功への「心の扉」
成功への「心の扉」

 IBM入社後、数社の会社を転職し(そのうち3社は社長)、現在キャリアクエストクラブを設立した渡辺邦昭氏による成功本です。(実際には成功に向かって旅立つところで物語は終わります)

 会社をレイオフされた主人公が、カウンセラーからの教えで仕事、会社、人生とは何かを考えていきます。新しいキャリアプランを作る作業では「自分自身の死亡記事を書く」ことで自分のビジョンや人生の目的を明確にしていきます。

 著者の渡辺氏は監訳者となっていますが、他のWebでの対談などによると実際には自分が書いたものだそうです。

(2005/11/19 読了)



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2005年11月18日

●仕事脳―成功する人の脳の使い方 吉田たかよし(著)

仕事脳―成功する人の脳の使い方
仕事脳―成功する人の脳の使い方

 著者である、吉田たかよしさんは、灘高→東大→アナウンサー→代議士秘書→医師と、普通では考えられないユニークな経歴・学歴をお持ちの方で、最強の勉強法という本も出版されています。(この本の勉強法も非常に面白いのですが、それは別の機会に)

 この「仕事脳」で紹介されている方法は著者自ら実践したもので、しかも医学的な根拠も合わせて納得いくまで解説されています。


■「科学的一夜漬け仕事術」
一夜漬けは、短期間に集中する事で能率を上げる。一夜漬けはストレスを脳に与えるため、スケジュールを立てる事、短期間に限定する事で人体に害を及ぼさないようにする。

■三時間睡眠+昼寝「ナポレオン睡眠法」
一夜漬けをする場合でも、完徹ではなく3時間の睡眠をとること。睡眠日記を付ける事で、自分に合った睡眠サイクルを知る事。

■「科学的記憶法」
夜寝る前30分は、暗記中心の時間に充てること。(これは、ドラゴン桜でも言ってましたね)

■「想起力」トレーニング
想起力とは記憶を思い出すことを意味し、社会人になると訓練する場が極端に少なくなる。そのトレーニング方法として、テレビを音を消して見ながら物の名前を当てる「サイレントテレビ法」、顧客の名前や、アメリカの州など7つ即答する訓練をする「即答7」などがある。


 どのように効率良く脳を使っていくかが具体的に書かれており、同時にNHKの先輩アナウンサーから習った方法や代議士秘書時代の経験を上げ、いかに原稿を覚えるか、出会った人に感動を与えるか、聴衆の質問にどう受け答えするかなど、実は地道な努力をしていた、その裏側を知る事ができます。


 読了後の本はこんな感じです。気になった箇所にポストイットを張っていくのですが、色はあまり関係ありません。最近読んだ本は全てこんな感じです。(ポストイットの数は上下しますが)


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2005年11月17日

●すらすら読める風姿花伝(世阿弥) 林望(著)

すらすら読める風姿花伝
すらすら読める風姿花伝

 世阿弥(ぜあみ)とされる著者ですが、正式には「世阿弥陀仏」というのが正確な法妙です。世阿弥は1363年(貞治2年)に父 観阿弥(かんあみ)の3男として出生されたと推定されています。その世阿弥が三十代後半に書いたであろう本がこの「風姿花伝」です。能楽が現代もその歴史を続け、生き延びているのは世阿弥がすばらしい作品と理論的到達を弟子たちに残しておいてくれたからであると現代語訳の著者である林望氏は述べています。


■「上手は下手の手本、下手は上手の手本なりと工夫すべし」
 上手な人ほど下手な人の良い所を学び、決してうぬぼれてはならない。下手な人も上手な人の悪いところを見つけたら自分はもっと欠点だらけである事を反省し、工夫をすること。

■「花」とは何かを知ること
 花といっても、所詮それは去年も同じ花が咲いていたのであるが、今年改めて咲けばやはり珍しいと見る。能もまた同じで、以前に演じた事のあるやり方であったとしても、「久しくして見れば、また珍しきなり」

■「秘すれば花なり、秘せずは花なるべからず」
 能楽だけの事ではない。珍しい見所があると知られてしまう事で、見物衆は期待しつつ見ていることになり、感激は起こらなくなる。観客の心に、意外な、思いも寄らぬやり方だ、という感興を催させる方法、これがここで言う「花」と言う事である。秘事を公開しないのはもちろんの事として、なお、「そうした秘事を知っている人だな」と言う事すら知られてはいけない。それは、相手に用心させてしまうからである。


 こちらも、土井英司さんの「成功読書術 ビジネスに生かす名著の読み方」で紹介されていた古典です。

 一度、こちらの風姿花伝(文庫本)を読んだのですが、さっぱり分からず、脚注読んでも理解できなかったので、すらすら読める風姿花伝を改めて購入し読んでみました。こちらの方は、題名に嘘はなく、すらすら読めます。全ての漢字(原文部分)にルビも振ってありますし、字も大きいので、気になる文章は原文と現代語訳を比較しながら読めます。

 現在の本のように、ノウハウびっしり、事例や図も豊富で分かりやすいという事は無いのですが、古典はその一言一言が重いのだなぁと感じた次第です。まずは、現代語訳だけでも読んでみる事をお勧めします。

 また、それぞれの区切りごとに著者である林望氏の解説が現代に合わせて具体的に記述され、とても分かりやすいので、2回目はその解説も一緒に読むと、新しい見方、感じ方、深い思慮を得る事が出来ます。



画像追加しました

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2005年11月16日

●ミリオネア・マインド 大金持ちになれる人―お金を引き寄せる「富裕の法則」 本田健(翻訳)

ミリオネア・マインド 大金持ちになれる人―お金を引き寄せる「富裕の法則」
ミリオネア・マインド 大金持ちになれる人―お金を引き寄せる「富裕の法則」


 お金持ちになるための本は何冊も読んできました。成功法則の本も何冊も読んできました。それでも、何も変わらないのはマインドの違いである事がこの本を読んで実感できます。

 それは、子供の頃の体験であり、両親からの教えの影響が大きい事を意味しています。

両親がお金の事で口論していた思い出がある人は「お金イコール苦痛」であり、その苦痛を避けるために、無意識のうちにお金を手放そうとします。


母親に小銭をねだった時に「お金は全部お父さんが持っている」と言われて育った女の子は大人になると、夫にお金をねだり、「女性はお金を持たない」と言う先入観で「自分もお金を持つべきでない」と言う信条でお金を使いまくってしまいます。


 そんな17個の先入観(ミリオネア・マインド)をプログラミングしなおすのがこの本です。これらのミリオネア・マインドは単純なポジティブシンキングと言うレベルではなく、私にとっても、この先入観は結構奥深くにあるもので、なかなか変える事が出来そうにありません。1つ1つ時間を掛けて直していけば、きっと人生が変わるでしょう。

 本田健さん翻訳で、内容も分かりやすく、読みやすく、おすすめです。


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2005年11月15日

●すごい!メモ術 「ビジネス力」をアップさせる達人たちの手の内を盗め! 中島孝志(著)

すごい!メモ術 「ビジネス力」をアップさせる達人たちの手の内を盗め!
すごい!メモ術 「ビジネス力」をアップさせる達人たちの手の内を盗め!


 毎日新しく生み出される記録をどうメモるか、どう整理するかは私もずっと試行錯誤しています。

 手帳を変え、方法を変え、道具を買い、それでも1つの方法に落ち着く事がありません。関連する書籍もかなり購入しました。現在日常的に使用しているツールだけでもこれだけありました。逆にツールが多すぎて、なかなか落ち着かないのかもしれません(笑)


■手帳、ツール
フランクリンプランナー
PocketPC
ポケット・アイデアマラソン手帳
ポスト・イットフラッグ プチ ハーフサイズ(大量)
四色ボールペン(大量)


■メモ関連ソフト
MindManager Pro 6 (マインドマップ作成)
Groove Virtual Office (特に会社と自宅のPCでのデータ同期 すごく便利!)
紙copi  (Webサイトのスクラップ用)


 と言う事で、本題に入ります(笑)

すごい!メモ術 「ビジネス力」をアップさせる達人たちの手の内を盗め!は15人の達人のメモの技術を纏めたものです。この本を読めばいくつかは参考になるメモの取り方があるのではと思います。著者の中島 孝志さんとお話しすると、その引き出しの多さに驚きます。最近の話題だけではなく、何10年も前のテレビ番組や、人の名前もすらすら出てきます。その裏にはこのような技があるのです。


 1つ、私も同じようなメモを取っていた事に気づきました。それは、講演会やセミナーでは定期的に時刻と表題、内容、そして自分が今感じる事を4色ボールペンでメモって行きます。同じようなメモの取り方はこの本にも出てきますが、(私の方法よりも、ずっと高度ですが)時刻や今の感想を書くのは後から読み返すときにとても重宝しています。時刻を入れることで、当時の話の進み具合や、そのとき自分は何を思っていたのかを関連付ける事によって、より鮮明に思い出す事ができます。(でも、土井英司さんのセミナーは自分の感想を書いていると、追いつきません(涙)


 この本を読んで色々試してみるのも楽しいです。


P.S.
ちなみに、3年ほど前はこんな電子ペンも使ってました。専用の電子ペンと専用の紙を使うだけでパソコンに取り込めて、とても重宝したのですが、やっぱり珍しいのか「それなんですか?」と聞かれる事が多くて、いちいち説明するのが面倒くさくなって使うのを止めてしまいました。
Logitech io Personal Digital Pen


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